イタリアの名車361台を掲載
日本でいま最も有名なイタリア車といえば、当然ながらFIATであり、ABARTH、AlfaRomeoがそれに続くと思います。
もちろんフェラーリやマセラティ、ランボルギーニの知名度は言うまでもなく、イタリアン・スーパーカーの代名詞的なクルマ達。しかし、そういったビッグネームの存在だけで完結しないのがイタリアの自動車文化の歴史、その懐の深さです。
中規模・小規模でありながらも情熱的でアツさなら負けない!とばかりエンジンと心を燃やした数々のカロッツェリアがかつて存在した。その大半はフィアット傘下となって吸収合併となったり、時代の遷移の中でひっそりと姿を消していったのだけれど、そういった裾野の広さ、層のぶ厚さ故に、ピラミッドの頂点であるメーカーが世界的な高みとして昇華できたとも言える歴史がある。
それは例えるなら、下部組織の存在が根強いセリエAなど欧州サッカーリーグのようでもある。
『イタリア車大図鑑』
発行:株式会社カーグラフィック
定価:2万2000円+税
本文カラー460ページ/上製・函入り/天地300×225mm
[引用]
1960年以降イタリアで発売された乗用車を網羅した世界でも類を見ない大図鑑が完成しました。フェラーリ、アルファ・ロメオ、ランボルギーニなど、いまなお世界中を魅了してやまないイタリアンブランドの名車361台を収録。創刊から57年を数える『CAR GRAPHIC』の膨大なアーカイブに加え、イタリアのエディトリアーレ・ドムス社の協力を得て、貴重な写真とともに各モデルが丁寧に紹介されています。
イタリア車とイタリアがわかる本
確かに大図鑑と銘打ってはいますが、単なる図鑑に仕上げたつもりはありません。
CGが創刊以来57年以上にわたって積み上げてきた膨大な経験と理解、表現力を総動員。資料性の高さだけではなく、見て楽しく、読んで面白い内容にこだわり抜いたのが本書です。スタッフはそのために2年の編集作業を費やしました。
多彩でお喋(しゃべ)りなイタリア車の歴史がこの本にはぎっしり詰め込まれています。僕自身初めて聞くメーカーがあること、それも複数存在することに驚きました。アバルトの歴代モデルが系統だって理解でき、ダンテ・ジアコーザの偉大さをあらためて実感しました。
コラムを充実させたことも本書の特徴です。その結果、イタリア人のガソリン血中濃度の高さ、自動車が深く文化に根ざしたイタリアという国そのものの特質まで浮き彫りにすることに成功したと自負しています。
この一冊を読めば1960年以降現在に至るイタリア車とイタリアの自動車文化がわかるはず。ぜひお買い求めください。
(文=CAR GRAPHIC 加藤哲也 氏)
【掲載メーカー】
アバルト/アルファ・ロメオ/ASA/ATS/アウトビアンキ/ベルトーネ/ビッザリーニ/ブガッティ/チシタリア/チゼータ/ダラーラ/フェラーリ/フィアット/フィッソーレ、レイトン・フィッソーレ/ジャンニーニ/ギア/イノチェンティ/インテルメッカニカ/イソ/イヴェコ/イソッタ・フラスキーニ/ランボルギーニ/ランチア/LMX/ロンバルディ/マセラティ/ミケロッティ/モレッティ/オルサ/オスカ/OSI/オタス/パガーニ/ピニンファリーナ/シアタ/シヴァ/トライアンフ・イタリア/デ・トマゾ/ヴィニャーレ/ザガート