ヒューズと書くのかフューズと書くのか、少し迷ったけれど『ヒューズ fuse』が一般的なようだ。
さて、キャブレターのアイドリング調整に始まり、スパークプラグ交換、エンジンオイル交換、そしてエンジンルーム&エアインテーク内の清掃に、ノックスドール700でフロアや継ぎ目のサビ対策などなど… 出来るコトからコツコツとやってきた旧チンクチェントのDIY整備。
車検を控えてるのに鳴らないホーンの件もあるのだが、電気系にも少し着手。…と言っても、旧車版フィアット500乗りとしてはまだピカピカの一年生の僕としては、基本的なメンテナンスしかできないけれど何事も小さな積み重ねが大事。
ということで、電気系も(キモチ程度は)備えているクラシックカーなFIAT500のヒューズを新品に全交換しておく。切れたときの予備用に新品のヒューズは取り寄せ済み。これがまた、オールドチンクに相応しい単純構造で「本当にこんなんでいいの?」と疑いたくなるシロモノなのだけど、型が古すぎて近所のホームセンターでは在庫してなかったりする。価格は10本くらいで数百円だから、ネット通販で入手するときはいっぱい買ってストックしておくといいと思う。
旧チンクのヒューズボックスは、フロントボンネットを開けた燃料タンクの右上にある。すぐ近くにはブレーキフルードの小さいリザーバタンクがあり、日常点検でも目に入りやすい場所。
そもそもヒューズ(英:fuse)とは、何ぞや?と名前しか知らない人も多いと思うけれど、
まあ、現代の自動車はもちろん、家電など身近な電気製品にも使われて昔から使われてきた安全装置みたいなもの。何らかの異常で電子回路に過剰な電流が流れ込みそうなときに、身代わりになって焼き切れて(溶断)、本体の重要箇所を守る役割を担った保護装置。未然に加熱や発火といった事故を防止する。
ご覧の通り、旧車であるチンクエチェントのヒューズは見るからに頼りない代物で、カプセルみたいな円筒にくっついた、真ん中にむき出しになってる金属部分が切れて通電を遮断する超シンプル構造。
いつから付いてるのか知らないが、とりあえず薄汚れた古いヒューズは全て外して廃棄してしまう。
導線が片側だけの箇所が2つあるけれど、これはヒューズボックスの裏側でちゃんと接続されてるので無意味なわけではない。それにしても、よくこんな旧式のヒューズボックス&ヒューズでまともに動くというものだなぁ、と感心してしまうけれど、実際トラブルの原因になりやすい箇所なので油断はできない。
もちろん、今式の新しいヒューズボックス&ヒューズに交換するのも定番の対策・施策のようだけど、とりあえず当面はこのまま。それにオリジナル部品はやはり味わいがあるし(ちゃんとBOXカバーにもFIATと入ってる)、安全面や機械的に不具合が生じないかぎりはこのままでもよいとは思う。
今回は時間がないので、KUREのエレクトロニック・クリーナーをぶっかけ直接洗浄して、接点復活剤を吹く。端子を磨くなり、ちゃんと手を入れるのは後日。それだけでも大分ちがう。
KURE(呉工業) エレクトロニッククリーナー (380ml) 電気・電子パーツクリーナー [ 品番 ] 3012 [HTRC2.1]
電装品をいろいろ後付けしてると、配線の被膜破れなどでシ
どちらかと言うと、接触不良で通電が阻害されることが多いそうな。まあ、一目瞭然。こんな中学生の夏休みの宿題(電子工作)みたいに簡素なパーツ構造だから、ホコリやらでサビやらですぐやられそうだし、走行中にやや激しめな振動とショックがあれば拍子で緩み抜け落ちても不思議ではない。
サビがひどくなければ、端子および接点をサンドペーパー(番目の細かい)で軽く擦って磨いてあげるだけで充分。
長い間放置されてると知らない間に状態が悪くなっている可能性はあるかも。エンジン始動がニブかったり、全く掛からなかったりという時は、最初にヒューズを疑っていいくらいだという基本のメンテナンス箇所。というか旧車の電気系トラブルは接触不良が割合としてとても多いと聞く。ヒューズをぐりぐりっと回しただけで始動した、なんて冗談みたいな話も現実的なのだ!
まあ、もちろん、無防備すぎるくらい野ざらし状態なデフォのヒューズボックスだから、ヒューズ自体の経年劣化もふつうに進行するのだろう。適当にサイクル決めてリフレッシュするくらいで丁度いい。
結論から言えば、たったコレだけのことで、始動性が向上し、ライトやメーター点灯箇所が幾分明るくなった。そして点火系が安定したのかアイドリングの粒も揃ったし、エンジンがよく回るようになった。
通電が良くなるだけで、こんなにも…!?というほど効果が如実に表れたので正直ビックリ。
すごいな、旧車ってのは…! ホントに手を掛けるほどに応えてくれる。
このダイレクト感にはとても気持ちが高揚する。自分でメンテナンスしてるという充実感、達成感がある。これは現代のクルマではなかなか体感できない旧車・クラシックカーならではお楽しみ、醍醐味ですなぁ…♪ こうやって少しずつ、愛車の隅から隅まで把握して、まさに人馬一体、相思相愛となっていくのだろう。こんな楽しいこと自分でやらないとモッタイナイと思っちゃう。