旧フィアット500のエンジンオイル交換。ネットで注文しておいたフロアジャッキと馬が届いたので、さっそくオイル交換を決行。最低限のメンテナンスだと思うし、旧車乗りの登竜門だからがんばる。
もう一台の新型チンクエチェント(ツインエア)の方は上抜きでやってるけど、旧チンクは下から抜くー。
ご存知、旧チンクエチェント(うちのは500F)は空冷2気筒エンジンなので、現代の水冷エンジンのように冷却水がラジエーター内を巡ってエンジン冷却してくれるわけではありませぬ。
走行中の風(空気)でエンジンの熱を冷ますわけだけど、すなわち、循環するオイルで熱を取る仕組みのオイル冷。
なので、エンジン下にあるオイルパンが地面側に剥き出しの状態で出っ張っていて、走行しながら風をあててアツアツになったエンジンオイルの熱を逃がす。
そして再び吸い上げられたオイルがエンジン内を循環して熱を帯び、なた再びオイルパンに戻り…、また吸い上げられる…、というサイクルを繰り返すことでオーバーヒートを防ぐという仕組み。
できれば旧アバルト用のチューニングパーツとしても有名な、大型のABARTH刻印入りオイルパン(3~4リッター)に交換すれば尚良しだけど、レプリカでも予算が3~4万は必要なので後日余裕があるときにだなー。
旧アバルト風モディファイの第一歩としてはド定番だけど、やはり車体下からのぞくABARTHの文字はカッコイイし、さらにはオリジナルパーツだったりすれば羨望の的でしょう!
一方の旧チンクにデフォルト装着されてるオリジナルのオイルパン容量はMAXで2.5リットルほどで、減りも考慮するとアベレージで2リットル強と少なく、うっかりしてると汚れたり減ったりでエンジン負荷が過酷になってしまうこともあるので要注意。
冬場はともかく真夏なんてオーバーヒートのリスクもあるためマメな整備が必要… とはいっても、
乗るときに時々オイルのレベルゲージを点検してれば問題ないし、炎天下で走行するとしてもよほど追い込まない限りは、普通に走ってれば平気(でもちょいちょい休憩はさせてあげよう)。真夏の箱根山越えとかはキツイかもだけど。
旧ABARTHタイプみたくアルミフィンではないものの、Nuova500に元々付いてるオリジナルのオイルパンもわりと優れモノなのだと、整備をお願いしてるガレージのメカニックさんがおっしゃっていた。外側が二重構造になっていてエアを抱き込み対流する仕組みになっているそうだ。昔の部品はよく考えが練られているのだね。
車高をローダウンした個体でなければジャッキアップしなくても抜けるけど、ドレンボルトの口の部分に向けてオイルが流れるように車体を傾けた方がキレイに抜ける。それに日々のDIY旧車メンテナンスには必要となるアイテムなのでジャッキは持っておいた方がいいアイテム。できればパンタジャッキも車載しておきたい。
旧チンクの車重は500kg台なので2トン用くらいのフロアジャッキで大丈夫。
エマーソン ジャッキスタンド3t 2個セット EM-104 高さ6段階調整 最低位260mm/最高位405mm ラバーパッド付...
もちろんジャッキスタンド(馬)も忘れずに。
アルミの旧アバルト用オイルパンはどうなのかは知らないのだけど、うちの旧チンクのオイルパンはドレンボルトが右側なので、古いオイルを抜き切るため車体の左側をジャッキアップする。
地面に接地してないとタイヤがご覧の通りダランと伸びるわけだけど、アニメのルパン三世に出てくる旧チンクが片輪走行したりして、飛んだり跳ねたりしてるときに写真みたいな絵面になってたりする。
当時のアニメーター(大塚康生さんや宮崎駿さん)が、絵としてはコミカルなタッチにしつつも、どれほど写実的にクルマを描写してるのかが分かる。
旧チンクの方はドレンボルトまでのアクセスが楽なので助かる。じりじりドレンボルトを緩める。
さて、オイルキャップを外すには17mmスパナあるいはメガネレンチを使用。
そうそう、気温にもよるけど少しアイドリングしてエンジンを温めた方が粘土が柔らかくなってよりキレイに抜ける。チンチンに熱くしてしまうと火傷の危険もあるし作業性が悪くなるので要注意だが、せいぜいオイルパンを素手でちょんちょんと触れる程度の熱さでよいので作業前に回しておく。
それから、(順序としては前後してしまったのだけれど)ドレンボルトを緩めて外す前に、
レベルゲージのディップスティックを抜き、
エンジン上部のキャップも外す。これで圧力の逃げ場ができて(空気が入る)、いくらか液体がスムーズに排出されやすくなる。
話は戻って、ドレンボルトをレンチで緩める時、最初こそは万力のような力を込めてグググッ…と動かすものの、一旦緩めた後は指先でクルクル回せるようになる。
しかし、最後のひと回しのタイミングを見誤ると、勢いよく飛び出してくる汚れたエンジンオイルまみれになるのは当然。というか、こればっかりは慣れても多少は被るので気にしない。ただ、オイルを熱しすぎてるとこの時にヤケドするから要注意。
専用の廃油パックもあると便利。(古いオイルの捨て方は各自治体のルールに従いましょー)
またまた余談だけど、
ただのオイルフィラーキャップでも、いちいちFIATの刻印が入ってる当時物パーツはちょっとお宝気分で嬉しい♪
消耗パーツは新陳代謝していくけど、こういう部品は昔のまま。まさに生きている化石だなー。
あとはオイルが抜けきるまで待ってればいい。一応、エンジン内にゴミとか石ころが万一にも入らないよう留意すべきなので、その場は離れずに別の作業でもやっておくといいと思う。
うちは旧チンクとニューチンクで共用できる2トンのジャッキを購入。
ジャッキ単体よりはウマ(スタンド)も噛ませておいた方が万一のときの保険となる。ジャッキの油圧はツマミで簡単に抜けるので、下手すると子供の力でも数ミリくらい回せてしまい、事故につながりかねない。軽いとは言え500キロの鉄のかたまりという事を決して忘れてはならない。
うちの500Fはローダウンされてない個体なので、慣れればジャッキアップしなくてもオイル抜けるけど、下回りを視認するためにもエンジンオイル交換毎に上げてチェックすべきだろうなー。
ヒョコっと後輪が持ち上がって、ちょっと情けなくもありカワイイw
どこから撮ってもカワイイw
せいぜい2リットルくらいを抜くだけなので、時間はそれほど掛からない。
フラッシングというほどでもないけど、少し新しいオイルを注いで捨てれば多少は内部洗浄にはなるのかも。ま、2~3回ほどのオイル交換を短めのスパンで行えばスラッジはけっこう取り除けると思うけど。
基本的には20W-50でいいらしいけど、今後いろいろ試して研究してみよっと。とりあえず今はMOTOR(モトゥール)で特に何の不満もなし。オールシーズン通しでもドライブフィーリングとしても体感的に問題はなさそう。
オイルジョッキをGETしたので使ってみる。ツインエアの方ではヤカンで代用してた(笑)
あとは普通に注ぐだけ。でも注ぎ口の真下がタペットで、あまり勢いよく注入すると飲み込みきらずに溢れる(体験済)ので、慌てずゆっくり入れてゆく。
何周してるか知らないメーターの現在の数字は32,299km
これは覚え書きで、次回のオイル交換時期のための目安。先述した通り、空冷=オイル冷の旧チンクはエンジンオイルが果たすべき役割が重要だから、あまりケチったりねばったりせず豆に交換したほうがよろしいかと思う。
まあ、旧型フィアット500を好き好んで乗るのだから、整備・メンテナンスも楽しみの内。というか、許されるのであれば毎日毎日ずっと構ってあげてたいのだけれど…
【2019/01/11 記】